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南の海では大きな雨雲がモクモクとわき上がっていた。
グーはおそるおそる雨雲にたのんだ。
「日照りで困っている村があります。
どうぞ、雨を降らせてください」
雨雲はうれしそうにこたえた。
「それくらいお安いご用だ」
すぐに、雨雲は猛スピードで村へ飛んで行った。
グーが遅れて村につくと、雨が多すぎて、洪水になっていた。
村人たちは口々にグーに文句を言った。
「グーに洪水をおこすほど大雨を降らせてくれとは、たのんでないぞ」
グーは申し訳なくて、しょげ返ってしまった。
すると、ワニが「グワーッ」と吠えてから村人に言った。
「人にはひどい災難でも、おれや、ペンギンにはすばらしい雨だぞ。
カラカラ天気だって、サボテンやトカゲたちにはめぐみの天気だったぞ。
自然は思い通りにならないものだ。
それでもいつも、だれかの役に立って来たんだ」
怒っているワニの前で、村人たちは黙り込んだ。
グーはどうしたら良いのか、わからなくなった。
それでとりあえず、「グーグー グーグー」と下手な歌を歌った。
すると、元気をなくしていた村人たちは、すぐに深い眠りに落ちた。
翌朝、村人たちは元気に目覚めた。
村人たちはすぐに、洪水の後片付けを始めた。
グーはその次の夜も、そのまた次の夜も、その次の次の夜も、
「グー、グー、グー」と、みんなを気持ちよく眠らせた。
すると村人たちはどんどん元気になって、一生懸命に働いた。
そして、いつの間にか村は元の姿にもどっていた。
でも、グーは歌い過ぎて体の空気が抜けて、シロナガスクジラくらいにちぢんでしまった。
グーはとてもつかれていたので、どこかで休もうと風に乗って、村から去って行った。
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